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「世界の果てという名の雑貨店」がすごく好きで、
出てくるお店の名前は、半分しか分からない。
でも、なんか好き。
あ。でも。続きの文の毒々しい果物、は「ドーリス」っていう漫画から。
病んでる(?)文、注意!
ゴミ箱に捨てた紙には、君の文字があったのです。
狡くて、卑怯で、べたべたとした 言い訳の羅列
あまりにも 情けなくて 丸めてゴミ箱に捨てたのです。
自分が好意を持った人間が、あまりにも 情けなくて。
ゴミ箱を部屋の真ん中に置いて、私は部屋の隅でひざを抱えましょう。
冷たい足先をすり合わせて 少しでも熱を得ようとする
浅ましい体の 私を好いてくれた君は。
如何してかいつも、寂しい笑顔で居るのでした。
甘いクリームを指になすりつけて、毒々しい砂糖漬けの果物から養分をとる。
君が此の部屋を出て行ってから、そんな生活をしていました。
扉も窓も閉め切って、 君の残滓を少しでも留めておきたかったのです。
しかしもう、缶詰はなくなってしまいました。
君と二人、汚らしい小さな商店で抱えきれないほど買った体に悪い食べ物は
全部 私の体に入ってしまったのです。
外に、出なくてはいけないのです。
服を着替え、靴を履き、扉を開けて君の残滓が出て行くのを止めることもできず。
買い物に行き、食べ物を買って、食べて、生きてゆかなくてはいけないのです。
君はもういないのに。
部屋の中央には、ゴミ箱があります。
君の言葉が綴られた紙を体内に取り込んで、佇んでいます。
私はそれを伸ばした爪先で蹴り倒し、紙を吐き出させたのでした。
そしてその紙を細かく、細かく、あの春の日に散ってしまった桜の花びらの様に裂いて。
狡くて、卑怯で、べたべたとした言葉を、勢いよく開いた窓から一斉に投げ捨てたのでした。
それはまるで、季節外れの桜吹雪のように風に攫われて遠く遠くへ、飛んでいったのでした。
そうして、私はやっと服を着て、靴を履いて、玄関の扉を開けるのでした。